始まりはよくある関節痛、発熱。
当初、母の体に現れたのは関節痛や発熱、四肢の発疹といった症状。
近医に受診して解熱剤が処方されるも、改善はありませんでした。
「なにかおかしい」、始まりはみんなそんな感じだったのではないでしょうか。
2019年初夏、初めて総合病院に紹介受診へ。
CRP(C反応性蛋白):10点台、翌週に検査入院となりました。
膠原病や自己免疫性疾患と関わりのある方なら、嫌でも気になる検査データかと思います。
CRPとは、細胞・組織に炎症や破壊が起こると血中に増加するたんぱく質の一種です。
正常値は0.3㎎/dl以下とされ、これ以上の値では、体内に何らかの反応が起きていることがわかります。
疑われる主な疾患としては、がんや感染症、心筋梗塞、外傷、膠原病などです。
3週間の検査入院を経て、主治医から病状の説明を受けました。
診断は「成人スチル病」。
母と成人スチル病について調べる。看護師の私でも聞いたことなかった病名でした。
成人スチル病は国から指定された指定難病のひとつです。
持続する関節痛や発熱、皮疹を主症状とします。
難病なので、原因の解明には至っていませんが、研究班があり、研究が進められています。
簡単に説明すると、炎症性サイトカインという炎症物質が自分の体を攻撃してしまうことで、全身に炎症を引き起こす自己炎症性、広義には自己免疫性疾患となります。
詳しくは、難病情報センターのHPをご参考ください。
成人スチル病(指定難病54) – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)
日本には4,700人程度、10万人に対して3.7人。
難病がいかに希少かをこうして人口あたりで表しますが、正直いってわからないですよね。
難病の実態を理解しようとすると本当に骨が折れます。
探しても探しても行き先の見つからない旅のようです。
このころはまだ旅に出始めたなんて母も私も、誰一人思ってもみませんでした。
そんなこんなで、始まった治療はステロイドの内服のみでした。
自己免疫性疾患であれば、ステロイド治療は避けては通れない治療です。
ステロイドは効果が大きい分、内服に伴う副作用も多くあります。
ステロイドは治療域が狭いので患者さんに合わせて、適切な投与量に調整していきます。
飲み始めは、病勢を抑え込むために少し多めの量で内服し始めました。
”難病”と説明を受けたものの、生活に支障を来すような症状はなく、ステロイドを内服したら良くなると思っていました。
ステロイドを飲み始めた母は、発熱や関節痛などの表立った症状は改善していきました。
院内のコンビニでお菓子を買って食べたりと入院生活を満喫していたほどです。
ステロイドの内服量を少しずつ減量し、炎症反応の経過を追っていきました。
入院中にプレドニンの内服量を調整し、晴れて退院となりました。
以降は、外来で採血検査を行い、効果をみていくことになった母ですが・・・。
次回は再入院前後のお話をメインにしていきたいと思います。
どこかでステロイドについても簡単にお話できたらと思っています。
読んで下さった方、ありがとうございました。
では。