あの日の誰かのためのブログ

自分のできることから少しずつ。

具なし味噌汁を味わう母。

新しい病院に転院してからは、

前の大学病院に移った時のように、検査検査検査の毎日。

今回は消化器内科病棟への入院(前の病院ではアレルギー内科)となり、

病棟や先生方の雰囲気も科によって違うなーという印象でした。

 

そして、主科(メインで診療にあたる科)が消化器内科ということで、

積極的に小腸の検査を進めていくことになりました。

 

それと並行して行ったのが、自己炎症性疾患の遺伝子検査。

どうやら、こちらの病院は遺伝子検査(とくに小児科)に力を入れているとのこと。

これまでに様々な検査を行っても原因不明であり、遺伝性疾患の可能性がありました。

その選択肢を減らすためにも、遺伝子検査をすることになったのです。

 

前回行った遺伝子検査は対象疾患を絞った検査であり、

その疾患であるか否かしかわからないものでした。

 

今回の遺伝子検査は自己炎症性疾患を幅広く検査することができました。

この病院では患者向けの確定診断や検査を行っていたり、

血縁者向けに発症前診断や保因者診断等を行っているようです。

 

遺伝子検査の中でも保険適応であるものとそうでないものがあり、

母の場合は保険適応内で行うことができました。

 

検査自体は簡単で、採血のみで行えるものでした。

 

また、遺伝子検査とも並行して「家族性地中海熱」という遺伝子性疾患の可能性が高い

ということで、診断的治療が開始されました。

診断的治療とは原因が明らかでない場合に、

特定の疾患を想定して治療を行うことです。

効果が認められれば、その疾患と診断し、

効果がなければ、別の治療を試し診断していきます。

 

この病気は自己炎症性疾患の1つで、指定難病になっているものです。

難病情報センターのHPのリンクを貼っておきます。

家族性地中海熱(指定難病266) – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)

 

難病とはそもそも原因不明ではありますが、

中には有効とされる治療が見つかっている場合も含みます。

 

なので、診断に先行して治療を開始し、あたればラッキーといったところです。

家族性地中海熱の治療はコルヒチンという薬剤を内服したり点滴で投与したりします。

母も転院後すぐにコルヒチンの皮下の持続投与が開始されました。

内服でなかった理由は小腸の疾患のため、経口摂取ができないからです。

 

これまでにもたくさんの疾患の疑いがありましたが、

今回もみるみるうちにたくさんの可能性が出てきて、

並行して様々な検査が行われました。

 

また新たな疾患の疑いに戸惑いもありつつ、

確定診断がつくかもしれないという淡い期待。

でも、ここまで様々な疾患の疑いがあり、

正直「またか」という落胆の気持ちもあり。

 

消化器内科では、積極的に腸管も使用していく方針となり、

転院後、かなり早期に経口摂取が開始されました。

 

絶飲食によって長期間、腸を使わないことによる弊害もあるため、

リスクも承知の上で、最初は飲水や内服から開始することになりました。

 

その後はstep by stepで、具なしの味噌汁やゼリーもお試しで始まりました。

栄養士さんも面談に来てくれて、医師の許可の中で母が食べられそうなものを提案してくださいました。

久しぶりのお味噌汁やゼリーにとても喜んでいた覚えがあります。

具がなくても味噌の味わいが感じられるとか、ゼリーに味も色々あるから楽しいとか。

スープを打診してみたら、許可が出たとか。

食事に関する報告の毎日だったように思います。

 

そして、ついに炎症性腸疾患ではおなじみのエレンタールと出会うことになるのです。

 

今回はここまでで。

次回、エレンタールの小噺を含めつつ、3つ目の病院での診療の日常をお伝えしていきたいと思います。

 

では。